愛馬初のGⅠ馬 エスポワールシチー 第25戦


重賞7勝、GⅠ5勝の2009年、2010年のJRA賞最優秀ダートホース。


前走の帝王賞は本格化したスマートファルコンに歯が立たずに2着。

しかし、エスポの時計もアジュディミツオーが勝った2006年を除くと
各年の優勝時計よりも速い走破時計。

何も恥じることはない。相手が悪かっただけ。

2着確保に私は安堵。


前走後、宇治田原優駿ステーブルに放牧に出されました。

次走は10月10日 東京 第24回 南部杯 JpnⅠ ダート1600mを予定。

すでにドバイワールドカップGⅠ2着のトランセンドが出馬表明。

スマートファルコンとフリオーソは9月23日の日本テレビ盃に。

その日本テレビ盃はスマートファルコンの圧勝だったが、フリオーソは屈腱炎で出走取消。


8月27日に栗東トレセンに帰厩しました。

10月10日 東京11R 第24回 マイルチャンピオンシップ 南部杯 JpnⅠ ダート1600mに出走!!

4着/2番人気。

まさに2年半前の同じコースでのフェブラリーSの再現を見ているようなレースぶり。

果敢にハナに立つも最後の最後で3頭に交わされる。

しかし、走破時計1分35秒1良馬場は決して悪い時計ではなく、相手が強かっただけ。

負けてすがすがしい。

レース回顧と時計の分析、レース後の陣営のコメントを掲載。

(2011年10月13日完結)

2011年7月4日立ち上げ

●前走後、宇治田原優駿ステーブルに放牧に出されました

 前走6月29日の帝王賞JpnⅠ 2着後、我らが愛馬エスポワールシチーは久々に宇治田原優駿ステーブルに放牧に出されました。本日(7月4日)発表されましたクラブ公式HPでは、ここで1か月半過ごすようです。

 ずっとトレセンで鍛えられていましたから、いい息抜きになるといいですね。

●次走は10月10日の南部杯JpnⅠを予定

 気になるエスポワールシチーの次走ですが、本日(7月4日)発表されましたクラブ公式HPでは、やはり10月10日の南部杯JpnⅠを目指すようです。

 南部杯と言えば、過去2年1着 → 2着といつもたくさんの賞金を持ち帰ってくれる美味しいレースでしたが、今年は被災地支援ということでJRAの東京競馬場で実施されるということです。そのことにより、JRAが主催となる他、ドバイワールドカップGⅠ2着のトランセンドが実績のある東京ならということですでに出走表明しています。今年は楽に賞金は貰えそうにありません。

 しかし、マイルは望むところですし、ここを避けてGⅡやGⅢには行って欲しくないですね。3、4着でも良いので南部杯でトランセンドなどの強敵と戦って欲しいです。

これ以降は8月29日に作成

●8月27日に栗東トレセンに帰厩しました

 前走後、宇治田原優駿ステーブルに放牧に出されていた我らが愛馬エスポワールシチーですが、8月27日、栗東トレセンに帰厩しました。

これ以降は9月7日に作成

●??トランセンドは9月23日の日本テレビ盃に登録しているゾ

 我らが愛馬エスポワールシチーと同じ10月10日の第24回マイルチャンピオンシップ南部杯に出走表明していた今年のフェブラリーSの勝ち馬でドバイワールドカップ2着馬のトランセンドが9月23日の日本テレビ盃に登録しています。

 もちろん、登録だけで回避する可能性も十分にありますが、案外こちらに出走するかも知れません。前走でエスポワールシチーをちぎったスマートファルコンもこのレースに登録しており、どちらもこのレースに出走してくれれば、南部杯はフリオーソ以外は手薄になり有り難いですね。さてどうなることやら。

これ以降は9月16日に作成

●トランセンドは日本テレビ盃を回避

 9月23日の日本テレビ盃に登録していた今年のフェブラリーS優勝馬トランセンドですが、やはりそのレースは回避しました。当然、当初の目標通り南部杯に出走してくるんでしょうね。

 同じく日本テレビ盃に登録しているフリオーソも回避濃厚です。出る気がないんだったら、他に出たい馬が居る訳ですし、最初から登録しなければいいのにと思ってしまいます。もちろん、いろいろと選択肢を増やす為というのはわかりますが。

これ以降は9月21日に作成

●フリオーソは日本テレビ盃に出走

 今年5月のかしわ記念においてエスポワールシチーを完封し、優勝した今が充実期のフリオーソですが、9月23日の日本テレビ盃に出走が確定しました。

 トランセンドのように日本テレビ盃に出走登録はしていましたが、登録だけで正直出ないと思っていました。ここを使って南部杯も出てくるかも知れませんが、東京で行われる今年の南部杯のスタート地点の芝を嫌っての南部杯回避ならありがたいですね。

これ以降は9月24日に作成

●注目の日本テレビ盃は明暗

 スマートファルコンとフリオーソというダート界四天王(あとはトランセンドとエスポワールシチー)の2頭が出走確定していた9月23日の日本テレビ盃JpnⅡですが、スマートファルコンの圧勝に終わりました。フリオーソは屈腱炎を再発し直前で取消。症状は軽いらしいものの、少なくとも今年の出走は無理でしょう。

 ライバルの失速は賞金面などで言えばエスポにとっては嬉しいことですが、逆にかしわ記念のリベンジをきっちりとしたかっただけに残念ですね。

これ以降は9月25日に作成

●気になる特別登録表(10月10日 東京11R 第24回 マイルチャンピオンシップ南部杯 JpnⅠ)

特別登録表 10月10日 東京11R 第24回 マイルチャンピオンシップ南部杯 JpnⅠ
 ダート1600m 定量 混合戦

第1回登録完了馬 全19頭 フルゲート 16頭  
馬名 予定騎手 斤量 前走 前走着順 前走人気 過去着順
イーグルビスティー 57.0  9/24 珊瑚 高知ダ1900
エスポワールシチー 佐藤哲三 57.0  6/29 帝王賞 大井ダ2000
オーロマイスター 吉田豊 57.0  9/19 エルムGⅢ 札幌ダ1700
クリールパッション 津村明秀 57.0  9/19 エルムGⅢ 札幌ダ1700 11
ゴールドマイン 斎藤雄一 57.0  9/12 青藍賞 盛岡ダ1600
シルクフォーチュン 藤岡康太 57.0  9/03 BSN OP 新潟ダ1200
セレスハント 後藤浩輝 57.0  6/01 さきJpnⅡ 浦和ダ1400
ダイショウジェット 柴山雄一 57.0  9/08 オーOP 浦和ダ1400
ダノンカモン 福永祐一 57.0  9/19 エニフOP 阪神ダ1400
テスタマッタ 四位洋文 57.0  7/17 マリーOP 函館ダ1700
トランセンド 藤田伸二 57.0  3/26 ドバイGⅠ アブダ2000
バーディバーディ 三浦皇成 57.0  9/19 エルGⅢ 札幌ダ1700 11
フサイチセブン 57.0  8/28 阿蘇OP 小倉ダ1700 10
ブラボーデイジー 北村友一 55.0  5/15 ヴィクGⅠ 東京芝1600 16 16
ボレアス 武豊 55.0  8/21 レパGⅢ 新潟ダ1800
メダリアビート 秋山真一郎 57.0  9/19 エルムGⅢ 札幌ダ1700
ランフォルセ 横山典弘 57.0  9/19 エルムGⅢ 札幌ダ1700
ロックハンドスター 菅原俊 57.0  9/12 青藍賞 盛岡ダ1600
ワキノカイザー 57.0  8/26 建依別 高知ダ1400 12

メダリアビート、フサイチセブン、バーディバーディが除外対象です。

これ以降は10月2日に作成

●主戦の佐藤哲三騎手が本日(10月2日)のスプリンターズSで左肋骨々折の負傷

 主戦の佐藤哲三騎手が本日(10月2日)のスプリンターズSで左肋骨々折の負傷を負いました。詳しい状態はわかりませんが、各紙によりますと、南部杯の騎乗は微妙とのことです。

 万が一、哲ちゃんが乗れない時は松岡正海騎手あたりでしょうか。今のところ騎乗馬はありませんし。

これ以降は10月5日に作成

●鞍上は松岡正海騎手に

 各スポーツ新聞によりますと、2日のスプリンターズSで落馬負傷した主戦の佐藤哲三騎手に替わるエスポワールシチーの鞍上は大方の予想通り松岡正海騎手ということです。

 エスポワールシチーと松岡正海騎手は2戦2勝で、初重賞制覇のマーチS GⅢは彼の手綱でした。佐藤哲三騎手が乗れないということですと、最良の選択肢ではないでしょうか。


 以下は4日のデイリー馬三郎の記事です。

 エスポワールシチーは09年マーチS勝ちなど、過去2戦2勝の松岡とのコンビで決戦に挑むことになった。主戦の佐藤哲が先週のスプリンターズSで負傷し、肋骨を6本骨折。安達師は「木曜の追い切りで栗東に来てくれるみたい。ピーク時ほどではないが、最近の中では一番いい出来になっている」と語った。上昇気配をうかがわせる実力馬の反撃に注目だ。

●気になる特別登録表(10月10日 東京11R 第24回 マイルチャンピオンシップ南部杯 JpnⅠ) 5日時点

特別登録表 10月10日 東京11R 第24回 マイルチャンピオンシップ南部杯 JpnⅠ
 ダート1600m 定量 混合戦

第1回登録完了馬 全19頭 フルゲート 16頭  
馬名 予定騎手 斤量 前走 前走着順 前走人気 過去着順
イーグルビスティー 赤岡修次 57.0  9/24 珊瑚 高知ダ1900
エスポワールシチー 松岡正海 57.0  6/29 帝王賞 大井ダ2000
オーロマイスター 吉田豊 57.0  9/19 エルムGⅢ 札幌ダ1700
クリールパッション 津村明秀 57.0  9/19 エルムGⅢ 札幌ダ1700 11
ゴールドマイン 斎藤雄一 57.0  9/12 青藍賞 盛岡ダ1600
シルクフォーチュン 藤岡康太 57.0  9/03 BSN OP 新潟ダ1200
セレスハント 後藤浩輝 57.0  6/01 さきJpnⅡ 浦和ダ1400
ダイショウジェット 柴山雄一 57.0  9/08 オーOP 浦和ダ1400
ダノンカモン 福永祐一 57.0  9/19 エニフOP 阪神ダ1400
テスタマッタ 四位洋文 57.0  7/17 マリーOP 函館ダ1700
トランセンド 藤田伸二 57.0  3/26 ドバイGⅠ アブダ2000
バーディバーディ ピンナ 57.0  9/19 エルGⅢ 札幌ダ1700 11
フサイチセブン 57.0  8/28 阿蘇OP 小倉ダ1700 10
ブラボーデイジー 北村友一 55.0  5/15 ヴィクGⅠ 東京芝1600 16 16
ボレアス 武豊 55.0  8/21 レパGⅢ 新潟ダ1800
メダリアビート 秋山真一郎 57.0  9/19 エルムGⅢ 札幌ダ1700
ランフォルセ 横山典弘 57.0  9/19 エルムGⅢ 札幌ダ1700
ロックハンドスター 菅原俊 57.0  9/12 青藍賞 盛岡ダ1600
ワキノカイザー 倉兼育 57.0  8/26 建依別 高知ダ1400 12

灰色の3頭は回避予定です。

これ以降は10月8日に作成

●追い切り情報(10月8日更新)

前走前 6月22日 栗東CW 良馬場 叩き一杯

佐藤哲三
6F 80.5
5F 65.8
4F 51.9
3F 38.8
1F 12.6[8]



8月31日 栗東坂路 良馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 55.5
3F 40.5
2F 26.5
1F 13.3


9月7日 栗東坂路 良馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 53.1
3F 38.6
2F 25.8
1F 13.0
コーリングオブラブ(古馬500万下)強めを1.3秒追走0.1秒先着


9月11日 栗東坂路 良馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 62.6
3F 45.2
2F 29.6
1F 14.2


9月14日 栗東坂路 良馬場 馬なり余力
1回
佐藤哲三
4F 52.8
3F 38.2
2F 24.6
1F 12.3
ヒシコモンズ(古馬1000万下)叩き一杯を0.3秒追走0.1秒先着


9月17日 栗東坂路 稍重馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 63.6
3F 46.0
2F 29.5
1F 14.4


9月21日 栗東坂路 不良馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 61.9
3F 45.3
2F 29.5
1F 14.3


9月22日 栗東坂路 重馬場 馬なり余力
1回
佐藤哲三
4F 57.4
3F 41.6
2F 26.5
1F 12.8


9月25日 栗東坂路 良馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 56.2
3F 40.2
2F 25.8
1F 12.6
ブリリアントシチー(古馬500万下)馬なりを1.0秒追走0.3秒先着


9月29日 栗東CW 良馬場 叩き一杯伸びる

佐藤哲三
6F 81.9
5F 65.6
4F 51.3
3F 37.8
1F 11.9[8]


10月2日 栗東坂路 良馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 59.5
3F 43.8
2F 28.8
1F 14.2


10月4日 栗東坂路 良馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 60.2
3F 44.2
2F 29.0
1F 14.3


10月5日 栗東坂路 良馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 62.6
3F 45.7
2F 29.7
1F 14.5


10月6日 栗東坂路 重馬場 強めに追う
1回
松岡正海
4F 53.7
3F 37.6
2F 24.4
1F 12.4


10月8日 栗東坂路 良馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 63.8
3F 46.6
2F 30.4
1F 14.6
 8月31日、帰厩後初時計を計時しました。まだレースまでに1か月以上あります。ボチボチですね。

 9月7日、13-13程度の速いところを乗られました。出走1か月前でこの時計です。やはりGⅠ馬は違いますね。併せ相手を簡単に捉えています。

 9月11日、15-15で追い切られました。レースまでちょうど1か月。次の水曜日くらいはそこそこの時計を出すのではないでしょうか。

 9月14日、主戦の佐藤哲三騎手を背に速い時計を計時しました。古馬1000万クラスの馬を相手に馬なりで余裕の先着。いやあ、惚れ惚れする位のいい動きです。スマートファルコントランセンドが力を付けてきているものの、エスポワールシチー自体にまだまだ衰えは感じません。

 9月17日、終い2ハロンだけ15-15で追い切られました。順調ですね。

 9月21日、ほとんど時計にならない程度の追い切りです。明日強く追い切るのでしょうね。

 9月22日、主戦の佐藤哲三騎手を背に強く追い切るのかと思いましたが、比較的軽い調整です。9月22日のデイリー馬三郎によりますと、「重心がしっかりとはまるようになってきた。休養前はハミに頼りっ放しだったけど、動ける筋肉が戻ってきた」と手綱を取った佐藤哲は好感触。とあります。心強いですね。

 9月25日、珍しくブリリアントシチーと併せられました。全く相手にせず軽々と先着しました。至って順調です。本日特別登録が発表になりましたが、やはり敵はトランセンドですね。世間が思うほど私は差はないと思っていますが。むしろ、トランセンドよりもスマートファルコンの方が強いと思っています。

 9月29日、CWで追い切られました。いやぁ、素晴らしい動きです。終いまでしっかりと伸びていますし、力を十分に出せる状態ですね。この動きなら、まだまだ格下馬には負けませんよ。
 私ほっさんの追い切り評価は最高の「A+」です。文句なし。
 以下は9月29日のデイリー馬三郎の記事です。
 
復権へ向けて、エスポワールシチーが上々の動きを披露した。主戦の佐藤哲を背に栗東CWへ登場すると、単走で6F81秒5-37秒6-11秒6をマークした。「連戦連勝をしていたときの出来には物足りないけど、だいぶ良くなってきた」と鞍上が好感触を伝えれば、見守った安達師も「時計も出ていたし、スムーズに走れていたね」と納得の表情を浮かべた。

 とあります。やはり出来は良さそうですね。

 10月2日、15-15強で調整されました。

 10月4日、15-15で調整されました。

 10月5日、出走は10日ですので、明日、今回久々にエスポワールシチーに騎乗する松岡正海騎手が栗東まで来て跨ってくれるようです。いずれにしても順調でレースが楽しみです。

 10月6日、松岡正海騎手が栗東まで来てエスポに跨ってくれました。良い手応えだそうです。

 10月8日、15-15で調整されました。

●出馬確定表

出馬確定表 10月10日 東京11R 第24回 マイルチャンピオンシップ南部杯 JpnⅠ
 ダート1600m 定量 混合戦 全15頭  
馬名 騎手 斤量 前走 前走着順 前走人気 過去着順
イーグルビスティー 赤岡修次 57.0  9/24 珊瑚 高知ダ1900
エスポワールシチー 松岡正海 57.0  6/29 帝王賞 大井ダ2000
オーロマイスター 吉田豊 57.0  9/19 エルムGⅢ 札幌ダ1700
クリールパッション 津村明秀 57.0  9/19 エルムGⅢ 札幌ダ1700 11
ゴールドマイン 斎藤雄一 57.0  9/12 青藍賞 盛岡ダ1600
シルクフォーチュン 藤岡康太 57.0  9/03 BSN OP 新潟ダ1200
ダイショウジェット 柴山雄一 57.0  9/08 オーOP 浦和ダ1400
ダノンカモン 福永祐一 57.0  9/19 エニフOP 阪神ダ1400
トランセンド 藤田伸二 57.0  3/26 ドバイGⅠ アブダ2000
バーディバーディ ピンナ 57.0  9/19 エルGⅢ 札幌ダ1700 11
ブラボーデイジー 北村友一 55.0  9/29 レディ 大井ダ1800 16
ボレアス 武豊 55.0  8/21 レパGⅢ 新潟ダ1800
ランフォルセ 横山典弘 57.0  9/19 エルムGⅢ 札幌ダ1700
ロックハンドスター 菅原俊吏 57.0  9/12 青藍賞 盛岡ダ1600
ワキノカイザー 倉兼育康 57.0  8/26 建依別 高知ダ1400 12

騎手の太字は乗り替わり

●東京ダート1600mコース解説

 東京ダ1600mは、東京芝2000mと同様にしばし物議を醸すコース設定。03年にコース新装が行われたが、前者はその状況が是正されなかった。
 いまだに抱える欠陥要因は、スタート地点。2コーナー奥の芝部分からスタートすることになるのだが、脚をすべらせてダッシュがつかないことがある。
 また、内枠と外枠とでは芝を走る距離が違うが、あるトップジョッキーの話だと、その点はあまり関係ない(騎手は気にしていない)ようだ。
 むしろスタート地点そのものに問題があり、芝が得意でない馬にとっては不安材料なのだ。
 まずはスタートで好発をできるかが勝負の分かれ目。出遅れたらほぼ終わり。致命傷になる。
 ダート戦なので基本的には逃げ・先行が有利だが、1300mや1400mに比べて数字はガクンと落ちる。
 中団からの差し馬も互角で、最後は決め手勝負になる。

有利な枠順 フラット
有利な脚質 先行~差し
ポイント スタート、決め手
種牡馬ベスト サンデーサイレンス、ジェイドロバリー、フジキセキ
連対騎手ベスト 武豊、横山典弘、蛯名正義、柴田善臣、後藤浩輝
推定勝ちタイム 良馬場 稍重馬場 重馬場 不良馬場
2歳新馬 1分41秒1 1分40秒2 1分40秒9
2歳未勝利 1分40秒3 1分40秒4 1分39秒2 1分39秒9
2歳500万 1分38秒6 1分41秒5
3歳新馬 1分41秒1 1分42秒4 1分40秒4 1分40秒1
3歳未勝利 1分40秒2 1分39秒7 1分39秒6 1分39秒6
3歳500万 1分38秒9 1分38秒1 1分38秒1 1分37秒6
3歳オープン 1分37秒0 1分38秒9 1分36秒7
古馬500万 1分38秒9 1分38秒5 1分38秒1 1分38秒3
古馬1000万 1分37秒8 1分37秒4 1秒37秒3 1分37秒5
古馬1600万 1分36秒7 1分36秒5 1分37秒4 1分36秒0
古馬オープン 1分35秒8 1分35秒6 1分35秒3

●騎手は松岡正海騎手 ほっさん評価「A-」

 今回のエスポワールシチーの鞍上は左肋骨骨折で戦線離脱中の主戦・佐藤哲三騎手に替わりエスポワールシチーでは過去2戦2勝と相性の良い松岡正海騎手です。やはり佐藤哲三騎手が乗れなければ彼しかいませんね。

 私ほっさん愛馬との相性も良く、9番人気のチャーミングシチーを最後までしっかりと追って2着に持ってきたりとエスポワールシチー意外でもお世話になっている。

 昨年は109勝ともはや関東のトップクラスのジョッキー。地元東京で良い走りを期待しています。


 松岡正海(まつおか まさみ)は1984年7月18日生まれの27歳。日本中央競馬会(JRA)美浦トレーニングセンター所属する9年目の騎手である。騎手免許は平地競走のみ。現在は相沢郁厩舎所属。


 2003年に前田禎厩舎所属でデビュー。同期は石橋脩、長谷川浩大、北村浩平、佐久間寛志、生野賢一、高井彰大、加藤士津八、鈴木慶太、南田雅昭らがいる。


 初年度は11勝で、25勝した石橋脩騎手に遅れをとり関東新人騎手賞を逃した。初勝利はデュエットシチー。

 通算100勝を上げたのは石橋脩騎手と同じ日だった。

 2005年2月にダイヤモンドSで重賞初勝利を上げるが、同年秋、前田禎師が逝去し、相沢郁厩舎に異動した。

 2006年にはマイケル・キネーンの紹介によりアイルランドの有力な調教師ジョン・オックス厩舎の元で約3ヶ月間の海外出張を行った。現地では騎乗は2鞍(6着、8着)だったが、馬の身の回りの世話や日本との違いなどを肌で感じ取った。松岡自身も、「この時の経験が、自分の競馬に対するスタンスを変えた。」と語っている。翌2007年もアイルランドで修業をしている。

 2007年の皐月賞は15番人気のサンツェッペリンでハナ差2着と惨敗。相当悔しがり、検量室前で思わずヘルメットを叩きつけた。同年のヴィクトリアマイルを12番人気のコイウタで勝利し、GⅠ初制覇を果たしている。

 2009年4月18日には通算勝利数が300勝に到達し、同年5月3日に12番人気のマイネルキッツで天皇賞・春を制覇。

 2008年が91勝、2009年は98勝、2010年は109勝と確実に勝ち星を伸ばしている。


 元騎手で競馬評論家の坂井千明氏に師事しており、坂井が主催する若手騎手の勉強会、通称「千明塾」門下生の代表的な存在である。

 独身時代はキャバクラ好きとして知られ、『競馬最強の法則』(KKベストセラーズ)誌上でターザン山本と対談した際には「(キャバクラは)わが国の宝ですから!(笑)」とまで語っていた。当時はそのこともあり金遣いも荒く、年間数千万円の収入があるにも関わらず、しばしば担当の税理士から「もう少し稼がないと税金が払えなくなる」と注意されていたという(『競馬最強の法則』2007年11月号) 。

 野球をプレーした経験があり、2006年5月22日に行われたJRA騎手東西対抗野球大会では、投手として完投勝利しMVPを受賞した。

 タレントほしのあきが名付け親で有名なハシッテホシーノの主戦騎手に指名された事がきっかけでみんなのウマ倶楽部のレギュラー、木下優樹菜と知合い、「GⅠで勝ったら、インタビューで(木下の口癖である)『チョリース!』を披露する。」と約束。その後、上述の通りマイネルキッツで勝利したため約束を実行に移す。しかし、伝統の天皇賞に於いてのその行為に批判の声があった。

 競馬評論家の中では清水成駿氏のファンで、『1馬』(現・優馬)で「今日のスーパーショット」を連載していた頃からの愛読者だという。清水が東京スポーツに移籍してからも同紙の「馬単三国志」を愛読している。

 2009年12月にタレントで『馬三郎』で競馬予想を掲載している杉浦美帆さんと結婚。

 JRA騎手の南田雅昭、黛弘人らとはバンド仲間であり、「ノビーズ」というバンド名でライブ活動を行っている。

 週刊Gallopや自著「藤田伸二の男ラム」で、藤田伸二騎手が「最近の若い騎手は覇気がない」と言いつつも「正海はいいね」と発言したことがある。
 一方、田原成貴元調教師は、松岡について注目する若手騎手としつつも「いい意味でのヤンチャとただ荒々しいことを取り違えているんじゃないかと疑いたくなるほどもつれた場面で危険な乗り方をしているレースがある」との懸念も表明している


「明確な意思を持って騎乗するジョッキーである。馬上で激しいアクションをとっても乱れは少ない。馬を抑え込んで御すことができ、自在の立ち回りをしてくる。競馬の予想が好きで、レース展開を読んで決め撃ち的な騎乗をすることが多い。コイウタとマイネルキッツのGⅠ勝ちはロスなくインで脚をタメて作戦勝ちという部分があった。コメントは的確で戦法に関する話は信頼して良い。2008年に勝率が.110と初めて1割を超え、2009年は.116、2010年の前半は.131と確実な成長を見せている。1番人気馬での成績は、2009年が連対率.496で2010年の前半は[22・17・7・26]の連対率.542。距離別、芝・ダート別で目立った偏りはない。コース的に福島と新潟で成績が良く(共に開催リーディング獲得経験あり)、2009年も2010年も中山の連対率が府中を上回っている。馬主的には主戦をつとめているマイネル軍団が狙い目。向上心に富む26歳(原稿時)、さらなる飛躍に期待したい。」(佐藤祐樹元地方競馬騎手)

 ほっさん愛馬での成績 (5戦2勝)


2007年 9月 9日 チャーミングシチー  2歳新馬       阪神芝1800m 2着/9番人気
2008年 5月 3日 アイオロスシチー   3歳500万下    東京ダ1600m 11着/4番人気
2008年11月 2日 エスポワールシチー 錦秋S 1600万下 東京ダ1600m 1着1番人気
2009年 3月29日 エスポワールシチー マーチS GⅢ    中山ダ1800m 1着1番人気
2010年10月 2日 アルマニャック    2歳未勝利      阪神ダ1800m 14着/12番人気

●ほっさん予想

専門誌ではほとんどが対抗或いはそれ以下の評価ですが(こらッ無印にしている奴、名前覚えたからなッ!!)、私はむしろ勝つと思っています。トランセンドとは戦っていないだけでそんなに差はないと思っています。

 いつも書いているように、スマートファルコンは本格化しアタマ1つ抜けていると思いますが、その下のトランセンド、エスポ、フリオーソは同格と思っています。もちろん、こてんぱんにやられれば考えを改めたいと思いますが、

 エスポにとっても東京のマイルは絶好の舞台。鉄砲も過去連を外したことがなく、鞍上も信頼できる松岡正海騎手です。

 トランセンドは国内の一線級が不在のレースで王者になったという印象です。もちろん、力をつけているのでもう絶対王者かも知れませんが、なんとかここで一矢報いたいところです。

 ランフォルセやダノンカモンといった新興勢力に脚元をすくわれることはないと思いますが、かしわ記念でラヴェリータに敗れた印象が世間では強いんでしょうね。あれは天才・武豊騎手が完璧に乗りましたからねぇ。それでも負けちゃいけない相手でしたが・・・。


 そんなこんなで、最悪トランセンドには敗れても2着は確保して欲しい。JRA開催ということで2着賞金が充実していますし(未勝利戦3勝分以上!)、重賞で連に絡めば賞金加算されますから、今後の出走に有利になります。

 いくら収得賞金の多いエスポでも、過去1年以内の収得賞金がないと出たいレースに出られない場合があります。実際、バーディバーディはいつも強いメンバーで上位に来ますが3着が多く今回も補欠の1番手でした。たまたま上位馬が回避したために出走できるようになりましたが・・・。

これ以降は10月10日に作成 一部13日に加筆

●専門誌の印と評価

競馬ブック

短評は「上位拮抗」


予想家の印
馬名 吉田幹 林茂徳 吉岡哲 CPU
バーディバーディ
ランフォルセ
ダノンカモン △△ △△ △△
エスポワールシチー
シルクフォーチュン
オーロマイスター
トランセンド △△
ダイショウジェット
クリールパッション
ボレアス
二重△は△△で処理
あとは無印



スピード指数

馬名 最高値 3走前 2走前 前走 評価
エスポワールシチー 102 96 97 102
トランセンド 100 97 100 97
ダノンカモン 98 94 94 91
ランフォルセ 98 98 93 92



有力馬のポイント


被災地支援として施行される今年の南部杯。JRA所属馬の争いとなりそうだが、世代を超えたチャンピオンホースの激突で見応えのある一戦になりそう。 トランセンドは海外初遠征となったドバイWCで2着。ヴィクトワールピサには及ばなかったが、日本調教馬ワンツーの快挙を成し遂げた。逃げて開眼し、JCダートを制覇。フェブラリーSは今回と同じ東京1600メートルでの勝利が心強い。国際舞台で活躍するまでに成長し、牧場から帰厩したあとは7月21日に初時計をマーク。好時計を連発し、先週は6ハロン73秒9の凄い脚力だった。乗り込み豊富で成長した姿を見せてくれそう。

 ランフォルセは兄ノットアローン、姉モンローブロンド。弟に3連勝のノーザンリバーがいて、早くから活躍する血筋。自身、3歳時にもヒヤシンスS2着の良績を残したが、この夏の活躍は目覚ましかった。マリーンSがレコード。続くエルムSで重賞を制し、勢いは止まるところを知らない。スタートの悪さが気になるが、東京コース自体には良績を残している。この相手でも楽しみに。

 レパードS勝ちのボレアスは3歳代表。クビ、ハナ、アタマ差の2着争いを尻目に2馬身差の楽勝だったし、格段に末脚の威力を増して、東京の長い直線がプラスに働きそう。まだまだ成長の余地があり、古馬と2キロの斤量差を生かせば。

 エスポワールシチーはトランセンドより1年前にJCダート、フェブラリーSを制し、昨年の南部杯は2着。米国遠征で結果は残せなかったが、立ち直るのは早く、帰国緒戦の名古屋大賞典を制し、帝王賞はスマートファルコン相手にち切られたが、2着は確保した。6連勝時の迫力はまだ感じられないが、勿論軽く扱えない。

 オーロマイスターは昨年の勝ち馬で、東京にも良績。ひと息入っていたエルムSでは59キロを背負っての2着だから上々だろう。少なくとも休養前の不振は脱したと見ていい。57キロで末脚の威力を増す。

 ダノンカモンは1400メートル中心だが、フェブラリーS4着で1600メートルも守備範囲。59キロで押し切ったエニフSを見るとパワーアップした印象だし、休養明けを2戦して、順調度は上。どんな競馬でもできるので、侮れない存在になる。

 テスタマッタはフェブラリーSでエスポワールシチーの2着があるが、当時は完敗だった。それでも前年勝ったサクセスブロッケンに3馬身半差をつけたのだから、GⅠ級で十分戦える実力。折り合いが鍵だが、速い流れなら。

デイリー馬三郎

予想印

◎ トランセンド
○ エスポワールシチー
▲ ダノンカモン
× オーロマイスター

以下省略


見解

 「国内GⅠ2連勝中。ドバイWCでもヴィクトワールピサの②着と、本格化の一途をたどっているトランセンド。フェブラリーSでは芝スタート、速い流れに不安要素を抱えていたが、マイペースに持ち込んで逃げ、終わってみれば1馬身半差で完勝。スピードの持続力が武器で、自分の形になれば簡単には止まらない。ここも断然の主役だ。」


1週前の見どころ


 今年は東日本大震災発生に伴う、被災地支援の一環として、従来の盛岡でなく、東京で施行される。

 主役はドバイワールドCで2着に逃げ粘ったトランセンドだ。主導権を奪取すると、ゴール前でも二枚腰を発揮。ヴィクトワールピサにかわされはしたが、世界の強豪馬は封じ込めた。レース後は、大山ヒルズで英気を養い、ここを目標に調整。順調にきている。JCダート、フェブラリーSではスピードの違いを見せつけ圧倒。メンバー的にもここは負けられない。

 連覇を狙うオーロマイスターは、同様のローテでの臨戦過程。エルムSは59キロを背負い2着と、GⅠホースの底力を見せた。この時季がよほど合っているのだろう。昨年は、無敵だったエスポワールシチーを撃破し連勝を止めた。気性的に当てにできないタイプだが、スムーズに立ち回ればGⅠ2勝目も可能だ。

 絶対的な強さを見せていたエスポワールシチーだが、一時の勢いはなくなった印象。それでもかしわ記念3着、帝王賞2着と好走しており、力は十分通用する。休み明けでも軽視はできない存在だ。
 
 あとは、エルムSで待望の重賞初制覇を飾ったランフォルセ、レパードSの覇者ボレアス、エニフSで59キロを背負い完勝したダノンカモンも圏内だ。

※GⅠレースは1週前登録時の「見どころ」ですので、回避馬が含まれているケースもあります。あらかじめご了承ください。



有力馬情報

エスポワールシチー

 このままでは終われない。統一GⅠ5勝の実績を持つエスポワールシチーだが、近走は物足りないレースが続いている。「昨年11月のBCクラシック10着後、腹痛を起こして検疫から出られなくなってしまって。あれが尾を引いている感じ。」と安達師は説明する。つまり、今季は1度も満足のいく状態で使えたことがなく、王者としての意地だけで走っている状況。失地回復へは”復調”が最大のポイントとなる。
 陣営は思案をめぐらせてきた。フィジカル面ではSSPと呼ばれる低周波治療を施し、背中の筋肉をマッサージ。メンタル面ではこれまでにないほどの併せ馬を重ね、あえて気合を乗せるように調整してきた。1週前追い切りでは、栗東CWで6F81秒5-11秒7(一杯)をマーク。佐藤哲のゲキに応えて力強い伸び脚を披露。「少しずつ良くなっている。自信満々とはいかないが、チャンスはあると思っている」と指揮官は復調をアピールした。あきれるほどの強さを見せた東京のマイル戦で、再び輝きを取り戻す。


トランセンド

 日本馬によるワンツーフィニッシュという歴史的瞬間に、日本中が熱狂した3月のドバイワールドカップ。夢の片棒を担いだトランセンドが、198日ぶりにホームグラウンドに帰ってくる。
 注目の帰国初戦。だが現ダート王の視線の先は、すでに来春へ向いている。「じっくりと時間をかけて、来年のドバイまで戦う体をつくってきました。今まではチャレンジャーでしたが、今はチャンピオンとして君臨している。胸を張って立ち向かいたい。当面の目標はJCダート(12月4日・阪神)ですが、ここらで負けられない馬ですからね」。リベンジへの熱い思いを胸に、安田師は凱旋Vを誓った。
 やや早めにも思える、7月3日に栗東へ帰厩。坂路とポリトラックを併用して、十分過ぎるほど乗り込まれてきた。9月28日の1週前追い切りでは、栗東DPで6F74秒2-35秒7-12秒6の猛時計をマーク。テンに飛ばした分、さすがにお釣りがなかったが、「しまい止まる感じでいこうと思っていた。心肺機能の強化を目的にね。このパターンで調教はずっとやってきている。予定通り」と担当の山下助手は力強い口調で返した。
 復帰初戦に南部杯を選択したのは「JCダートへ向かうには一番いいローテだと思ったからです」と安田師。それゆえ、この一戦でエスポワールシチーと初めて肌を合わせることになった。「2年連続で最優秀ダート馬に輝いた実力馬。彼に勝たないと真の意味で称号が得られない」と口元を引き締める。復帰戦でエスポワールシチーに勢いの差を見せつけ、リベンジへの第一歩を踏み出す。



記者のコメント

A評価 2頭

エスポワールシチー

GⅠ5連勝した当時の勢いはないが、それでも国内では崩れておらず、東京はベスト。乗り代わりにも不安はなく、好戦必至。


トランセンド

7月3日から乗り込み、今週の栗東坂路で自己ベストをマーク。近走のパフォーマンスは頭一つ抜けており、久々でも軸は不動。


B評価

ランフォルセ

横山典は南部杯で5戦2勝、2着3回と連対率100%。出遅れて外々を回った前2走が着差以上に強さ。GⅠでもチャンスあり。


ダノンカモン

重賞未勝利ながら、フェブラリーSは0秒4差の4着。使われている強みと安定感があり、東京マイルもベスト。激走も可能だ。


C評価

バーディバーディ

東京マイルは重賞勝ちに加え、フェブラリーSでも0秒2差3着に好走。15頭目に滑り込んだ運の良さを味方に一発を狙う。


ポレアス

前走は重賞Vも走破時計が平凡。相手強化が課題だが、挑戦者の強みで思い切った競馬をしそうなムード。決め手を生かせれば。

JRAホームページ

トランセンド

「栗東トレーニング・センターには7月に帰厩しました。その後は基礎体力を上げるために、時間をかけてじっくり鍛えてきました。上々の仕上がりで秋の初戦を迎えられそうです。今季は、マイルチャンピオンシップ南部杯→JBCクラシック(大井・ダート2000m)→ ジャパンカップダートの3戦を予定していますが、乗り越えられる体力はついたと思います」と、陣営は看板ホースの秋初戦に万全を期している。昨年のジャパンカップダートでGI 初制覇を達成したあと、フェブラリーSも快勝。GI・2連勝でダート界の王者に君臨している。さらに、初の海外遠征となった前走の国際G1・ドバイワールドC(メイダン競馬場・オールウェザー2000m)で2着と大健闘したのは、まだ記憶に新しい。ひと夏を越して、更にパワーアップした姿が見られそう。


エスポワールシチー

「前走の帝王賞(大井・ダート2000m、2着)のあとは、リフレッシュのために放牧へ出ていましたが、8月に栗東トレーニング・センターへ戻ってきました。このレースに照準を合わせて調教を消化していますので、態勢は十分に整いそうですよ。ダート1600mでは安定して走ってくれる馬ですから、今回も楽しみですね」と、厩舎サイドは余裕の表情を見せていた。「休養明けのレースでも好成績を残しているように、鉄砲使いの利くタイプです。臨戦過程にも不安はありません」と、同馬の実力を信頼している様子だ。2009年のマイルチャンピオンシップ南部杯(盛岡・ダート 1600m)では、同年のフェブラリーS優勝馬サクセスブロッケンを4馬身差の2着に退ける圧勝劇を演じている。昨年は勝ち馬のオーロマイスターから3馬身差の2着に敗れたが、その雪辱を果たすことができるか、大きな注目が集まる。


ランフォルセ

2009年の「日本ダービー」をロジユニヴァースで制覇した萩原清厩舎と横山典弘騎手のコンビが送り出すダートの新星。目下2連勝中の勢いを保持したまま、JpnI の晴れ舞台に登場する。「前走のエルムSは非常に強い内容で勝ってくれましたが、スタート面の課題は残ったままですからね。今回は胸を借りる立場になりますが、ここにきての地力強化は著しいものがあります。幸い疲れもなく、北海道シリーズの良い状態を維持していますので、ここでどんなレースができるのか、とても楽しみです」と、陣営の期待は膨らむ。まだ重賞のタイトルは前走のエルムSだけだが、夏場も順調にレースを使われて好成績を収めてきた点は大きなセールスポイント。本格化を遂げた素質馬が、ビッグタイトル奪取へ挑む。


オーロマイスター

「前走のエルムS(2着)では、ようやくこの馬らしい末脚を発揮してくれましたね。コース適性が高かったことと、状態が上向いてきたことが、好走の要因でしょう。他の馬よりも重い59キロを克服しての好走だけに、今後の展望が明るくなりました」と、厩舎スタッフのムードは上々だ。昨年のこのレースでは、断然の1番人気に推されていたエスポワールシチー(2着)を寄せ付けず、3馬身差の圧勝。悲願のJpnI 制覇を達成したレースだけに、ここは連覇の期待が懸かる。左回りのダート1600mは、昨年優勝した盛岡競馬場開催時と同じ設定で、前走の59キロから今回は57キロと斤量が2キロ軽くなるのも追い風になるはず。上昇気配のディフェンディングチャンピオンから、目を離せない。


ポレアス

ディープインパクト産駒としては初のダート重賞制覇となった前走のレパードS。手綱を取っていた武豊騎手がレース後に、「追い出してからの反応がすごく良かったし、抜け出す時の脚が本当に速かったですね。馬がどんどん良くなっているので、今後が非常に楽しみです」と、手放しで誉めていた素質馬だ。今回は古馬と初対戦で、さらにダート界のトップホースが相手と条件は厳しくなるが、前走のレース内容から、JpnIのここでも好勝負が見込めそう。また、3歳馬で10戦というレースキャリアからもまだ成長の余地は大きく、55キロの斤量は魅力十分。ユニコーンS3着→ ジャパンダートダービー(大井・ダート2000m)2着→レパードS優勝と、上昇度ナンバー1の同馬がここでダート界の新星として輝くことができるか、大きな期待が懸かる。


ダノンカモン

「前走(オープン特別のエニフS、阪神・ダート1400m)は、ひと息入れたあとの実戦で、斤量も59キロ。条件は有利とは言えませんでしたが、なかなか強い内容で勝ってくれましたね。以前に比較すると、心身両面で成長が感じられます。東京のダートコースとは相性の良い馬なので、強敵が相手のここでも、好勝負に持ち込みたいものです」と、スタッフは同馬の充実ぶりをアピールしていた。昨秋に1600万下の大阪スポーツ杯(阪神・ダート1400m)を勝ち上がって、オープンクラス復帰を果たしたあとは、8戦3勝2着4回4着1回と安定感は抜群。また、東京・ダート 1600mの重賞では、昨年の武蔵野S2着、今年のフェブラリーS4着の実績がある。コース・距離ともにぴったりの条件で戦える今回は、ビッグレース制覇のチャンスと見ても良いだろう。


クリールパッション

「前走のエルムS(6着)は状態も上向いていましたし、期待を持って送り出したのですが、スタートで躓く不利があって、流れに乗れず、不完全燃焼の一戦でした。ただ、疲れもなく体調面は良好なので、ここは改めて期待したいですね」と、厩舎サイドは前走の敗因を分析してくれた。昨年のジャパンカップダートでは、優勝馬トランセンドから0秒6差の6着と、GI でも大きくは負けていない馬だけに、展開の助けがあれば、上位に食い込むチャンスはありそう。東京・ダートの1400m~1600mで2勝2着1回3着1回を記録しており、コース替わりはまったく問題ないはず。有力馬に先行タイプが多い今回、混戦になれば、鋭い末脚は侮れない。


シルクフォーチュン

「前走(オープン特別のBSN賞、新潟・ダート1200m、3着)は、スタートで他の馬と接触する場面があって、前半はリズム良く走れませんでした。それでも、最後は狭いところをグイグイ伸びてくれましたし、内容は悪くなかったと思います。今回は久々の 1600mになりますが、今では折り合い面に進境を見せていますので、対応は可能でしょう。末脚が活きる流れになれば、そう差はないはずです」と、スタッフの評価は高い。昨年の武蔵野S(7着)は大外8枠16番からのスタートで前に壁を作れず、自慢の末脚全開とはいかなかったが、それでもメンバー中最速タイの上がり3ハロン35秒2(推定)をマーク。うまく脚を溜めることができれば、直線一気の末脚で差し切るだけの爆発力は秘めている。



10月10日は、東日本大震災の影響で中止になった日程分の代替開催として東京競馬が組まれ、さらに、例年盛岡競馬場で開催されている地方交流重賞のJpnI・マイルチャンピオンシップ南部杯も舞台を東京・ダート1600mに移して、JRAの主催で行われる。東京競馬場と盛岡競馬場は“姉妹競馬場”の関係にあり、震災の影響を受けた岩手競馬を支援するため、売り上げの一部が岩手県競馬組合に拠出される。秋風爽やかな季節にダート界のスターホースが府中に集結、被災地を元気付ける白熱した追い比べが見られそうだ。

トランセンド(牡5・安田隆行)は、昨年の暮れにジャパンカップダートを鮮やかに逃げ切ると、今年の初戦となったフェブラリーSも快勝し、GI 2連勝を達成。ともに堂々たる内容で、ダート界の頂点に立った。そして、初の海外遠征で世界の強豪が終結した国際G1・ドバイワールドC(メイダン競馬場・オールウェザー2000m)に挑み、優勝馬ヴィクトワールピサと熾烈な追い比べを演じて半馬身差の2着に好走。素晴らしい充実ぶりを示して上半期を終了した。帰国後は放牧で英気を養い、7月上旬には栗東トレーニング・センターに帰厩。この一戦を秋のスタートに選び、熱心な乗り込みを消化してきた。坂路とDコースのニューポリトラック馬場を併用して行われてきた調教では好タイムを連発しており、態勢は十分に整った印象だ。今回は、フェブラリーSと同じ東京・ダート1600mが舞台。風格を増した王者の登場に注目が集まる。

エスポワールシチー(牡6・安達昭夫)は、ここまでダートのレースで11勝を記録している強豪だ。圧巻は、2009年のかしわ記念(船橋・ダート1600m)→マイルチャンピオンシップ南部杯(盛岡・ダート1600m)→ジャパンカップダート→2010年のフェブラリーS→かしわ記念と、負けなしで達成したGI・JpnI 5連勝。今年は休養明けで臨んだ3月の名古屋大賞典(名古屋・ダート1900m)で59キロを背負いながらもレコードタイムで圧勝。続く前々走のかしわ記念が3着、前走の帝王賞(大井・ダート2000m)は重賞4連勝中のスマートファルコンに大きく離されたものの2着を確保と、衰えはまったく感じられない。夏場は予定どおりに放牧で充電を完了。2か月以上の休み明けのレースでは4勝2着2回と、連対率100%を記録している鉄砲巧者だけに、いきなりの好勝負が期待される。

今夏の北海道シリーズで大活躍、ここにきて上昇一途なのがランフォルセ(牡5・萩原清)だ。前々走オープン特別のマリーンS(函館・ダート1700m)では、スタートで後手を踏んだものの、勝負どころから一気にまくってコースレコードで圧勝した。続くエルムSも豪快な末脚を披露して、重賞初制覇を達成。勢いでは、ナンバー1と言える存在だ。ダートのレースでは、17戦13連対をマークと、安定感抜群の成績を誇る。東京のダートコースも4戦3連対で、コース替わりに大きな不安はない。今回がトップクラスと初対戦になるが、順調にレースを消化してきたアドバンテージを活かせば、大仕事を成し遂げることも可能だろう。

昨年のマイルチャンピオンシップ南部杯(盛岡・ダート1600m)の覇者オーロマイスター(牡6・大久保洋吉)が、連覇を狙って登場する。4番人気で臨んだ昨年のこのレースでは、圧倒的な1番人気に支持されたエスポワールシチーを3馬身突き放して、1分34秒8のレコードタイムで優勝。この馬のベストパフォーマンスを演じている。その後はやや精彩を欠くレースが続いたが、前走のエルムSでは59 キロの斤量を背負いながら、中団追走から早めに進出し、優勝馬ランフォルセと激しい叩き合いの末、0秒1差の2着に惜敗。例年、夏の後半から秋にかけて状態が上向いてくる傾向が見られるだけに、ベストの条件で出走できる今回は、強敵相手でも十分に連覇を狙えそうだ。

3歳世代からは、ディープインパクト産駒のボレアス(牡3・吉田直弘)がエントリー。前々走のジャパンダートダービー(大井・2000m)で2着に好走したあと、前走のレパードSを見事な末脚で制覇。待望の重賞タイトルを獲得している。ベストは過去5戦5連対を記録しているダート1800mかもしれないが、東京・ダート1600mでも3走前のユニコーンSで3着の実績があり、長い直線のコースならこの距離も問題はないはず。レースキャリア10戦(3勝2着4回)の3歳馬だけに、ここにきてグングンと力をつけている印象で、成長の余地は大きい。55キロで挑戦できる斤量面も魅力で、若きダート巧者の走りっぷりに注目が集まる。

抜群の安定感を誇るダノンカモン(牡5・池江泰寿)。目下16戦連続して掲示板(5着以内)を確保している馬で、その堅実な末脚には高い評価が必要だろう。前走オープン特別のエニフS(阪神・ダート1400m)では59キロの斤量を克服して優勝と、5歳の秋を迎えて充実一途の印象だ。東京のダートコースでは7戦して〔2・2・2・1〕の好成績を収めており、3着以内に入れなかったのは、今年のGI・フェブラリーS(4着)のみ。最近では先行力も身につけて、レースぶりにも一段と幅が出てきたように、相手なりに走れる点は魅力。目下の状態の良さを活かせば、実績上位の馬たちを凌駕して、JpnI 初制覇を成し遂げても驚けない。

前々走のプロキオンSを目の覚めるような末脚で圧勝したシルクフォーチュン(牡5・藤沢則雄)。上がり3ハロン34秒9(推定)と芝並みのタイムをマークして、ダノンカモンを2馬身半差の2着に退けた。末脚一手のタイプで、レースの流れに左右されるケースがあるものの、展開が嵌った際の決め手は強烈だ。ベストは全6勝中4勝を挙げているダート・1200mだけに、今回は距離延長が鍵になりそうだが、長い直線は追い風になりそう。夏場も順調に実戦を使われ、好調子をキープして臨む今回、ハイペースの展開になれば、ゴール前の強襲劇が見られるかもしれない。

岩手競馬からは2頭のトップホースがエントリー。ゴールドマイン(せん7・桜田浩三)は、夏場も順調に使われて、前走の青藍賞(盛岡・ダート1600m)を快勝し、勢いに乗ってのJpnI 初挑戦となる。ダート1600mは、19戦7勝2着2回3着4回を記録しており、まさしくベストの距離と言える。また、JRA所属時代に東京・ダート 1600mで3勝を挙げた実績があるのは魅力だ。中央のトップクラスが揃った今回は近走と比較すれば大幅な相手強化になるが、岩手の大きな期待を集めての参戦だけに、善戦が期待される。希望と勇気を乗せての東京競馬場遠征。大きな拍手と歓声が待っているはずだ。

同じく岩手競馬所属のロックハンドスター(牡4・瀬戸幸一)にも注目。昨年、岩手の3歳三冠を達成した強豪だ。前走の青藍賞では1番人気に応えられず、優勝したゴールドマインから1秒3離された6着に敗れているが、通算成績が20戦11勝と、実力は遜色ない。ダート1600mも〔4・1・0・1〕と良績があるだけに、軽くは扱えない1頭になりそうだ。

他にも、高知競馬から今春3連勝を飾ったイーグルビスティー(牡7・田中守)、通算20勝を挙げている古豪ワキノカイザー(牡11・別府真司)が遠征してくる。また、JRA所属馬では、前走のオーバルスプリント(浦和・ダート1400m)を5馬身差で楽勝して目下絶好調のダイショウジェット(牡8・大根田裕之)や、昨年のエルムSの覇者クリールパッション(牡6・相沢郁)がエントリー。伏兵陣も多士済々だけに、迫力のある追い比べが堪能できそうだ。
 

●前走レース後の騎手・調教師・専門誌のコメント

エスポワールシチー(2着)

 「もうちょっと。好調に持っていくのに1年かけてやってきた馬。(海外遠征などで)調子がまだ戻り切っていない。それでも大崩れしないのだから。これで我慢しながらやっていくしかない。立て直して秋に何とか」(佐藤哲三騎手・日刊スポーツ)

 「左脚の回転がひと息だから、外に馬(マグニフィカ)を置いてみたけど、それでも頭を上げてしまって…。踏ん張りは利くようになってきたし、かしわ記念(3着)と比べても良くなってきた。ただ、好調に戻るまで時間がかかる馬。長い目で見てほしい」(佐藤哲三騎手・サンケイスポーツ)

●各陣営のコメント

エスポワールシチー

 「Q 中間の具合は 海外遠征後は体調を崩してしまったが、だいぶ状態が回復したし、トモの状態も良化。乗り代わりになるが、2回乗っている騎手なら大丈夫です。」(安達昭夫調教師・デイリー馬三郎)

 「単走となりましたが、佐藤騎手の感触はまずまずのようでした。一応、今週は坂路で追い切る予定ですが、状態のほうはだいぶ良くなりました」(安達昭夫調教師・友駿ホースクラブ公式HP)

トランセンド

 「Q 久々の実戦ですが 帰厩当初は息遣いが荒かったが、乗り込むにつれてグングン良くなってきた。2週続けてケイコで破格の時計が出たし自信を持って臨める。」(安田景助手・デイリー馬三郎)

ランフォルセ

 「Q 意気込みを レースに行くとゲートの中でうるさくなってしまう点はネック。でも地力はアップし、全体的にしっかりしてきた。強敵相手に肉薄してほしい。」(萩原清調教師・デイリー馬三郎)

●レース 

 芝スタートが苦手でゲートが懸念された我らが愛馬エスポワールシチーですが、佐藤哲三騎手がいつもそうしているようにそろっと出して二の脚を使いハナを奪いました。二番手にはやはりトランセンドがぴったりとマークします。

 エスポワールシチーはいい手応えで4コーナーを迎えます。一方トランセンドは鞍上の藤田伸二騎手が押して押してなんとか離されないように追走していましたので、これはもしかして、エスポが勝ったかな?と思ってしまいました。

 直線に向くとまずエスポワールシチーが抜け出しにかかります。そこで少しトランセンドとは差が開くのですが、ダノンカモンとトランセンドが上手く馬体を併せて伸びて来ます。最後100mのところでエスポは力尽き、最後にグッと前に出たトランセンドが貫録の優勝。2着は最後まで馬体を併せて譲らなかったダノンカモンが入ります。

 更にシルクフォーチュンにも最後に差されてエスポは4着で入線しますが、最後の最後までトランセンドを追い詰め、楽をさせませんでした。並みの馬にこの走りは出来ません。勝負に行っての4着。まだまだ一線級でやれます。

●時計の評価

 今回のエスポワールシチーの走破時計1分35秒1良馬場は1年半前にエスポワールシチーがフェブラリーSで優勝した時のタイム1分34秒9良馬場に近い数字であり、今回勝ったトランセンドが1分34秒8良馬場で走っていますから、相手を褒めるべきでしょう。もちろん、エスポも当時は最後着差に余裕があり、流していましたから、当時の能力なら凌ぎ切ったかも知れません。

 そういう意味では衰えはあると思います。そりゃ、5歳と6歳を比べれば5歳時の方が大抵の馬は能力が高いでしょう。それでもエスポも健闘していると思います。悪い時計ではありません。

●レース後の騎手・調教師のコメント

トランセンド(1着)

 「休み明けの分、落ち着き過ぎて、スタートは出たが、行き脚がつかなかった。直線は手ごたえがあるのに反応してくれなかった。それでも差し返してくれたし、世界で見せた実力を見せてくれた」(藤田伸二騎手・デイリー馬三郎)


 「1番人気だったので、ファンの期待に応えられてよかったです。休み明けのせいか、いつもより落ち着きすぎていました。そのためスタートこそ普通に出ましたが、ちょっと行き脚がつきませんでした。最後はよく差し返して、この馬の地力を見せてくれました。次はさらにいい状態で臨めると思いますので、この馬らしいところを見せてくれると思います」(藤田伸二騎手・ラジオNIKKEI)

ダノンカモン(2着)

 「先頭に立ってソラを使ってしまった。加減のできる手応えではなかったし、相手も強かったからね。スムーズな競馬はできたが」(福永祐一騎手・デイリー馬三郎)

 「先頭に立つとフワッとしてしまう馬なのですが、あんなに早く先頭に立つとは思っていませんでした。相手も強いですから仕方ありません」(福永祐一騎手・ラジオNIKKEI)

シルクフォーチュン(3着)

 「やったと思ったけどね。直線を向いたときはいい感じだったけど、最後は距離かな。それでも能力は示せた」(藤岡康太騎手・デイリー馬三郎)

 「無理せずあの位置が取れました。直線に向いてからの反応もよく、『これは』と思いましたが、道中でハミを噛んだ分でしょうか。それに本質的には1400mの方がいいですね」(藤岡康太騎手・ラジオNIKKEI)

エスポワールシチー(4着)

 「前走と比べても状態は良かったと思います。無理せず先頭に立てましたからね。このところもうひとつのレースが続いていたのでキッカケを作るために早目に引き離す競馬をしました。最後は止まってしまいましたが、状態は上向いていますし、これからもっと良くなりそうです。」(松岡正海騎手・競馬ブック)

 「帝王賞のときより状態は上向いていた。きっかけがほしかったし、一番の薬は圧勝だと思ったので、強気の競馬をした。だいぶいいころに戻っているね」(松岡正海騎手・デイリー馬三郎)

 「積極的に行って、何とか凌げると思ったのですが……。馬はだいぶ戻っています。まだよくなると思います」(松岡正海騎手・ラジオNIKKEI)

ランフォルセ(6着)

 「これからの馬だから。まだ課題もあるし、これがいい勉強になってくれればいいね」(横山典弘騎手・デイリー馬三郎)

 「。「よく頑張っています。パドックでイレ込んであんな格好をしているんだし、ゲートへ向かう過程は決して褒められたものではありませんでした。いい勝負になればもちろんいいのでしょうが、現時点ではダメだし、まだまだこれからということ。こういった舞台の経験も初めてなんだし、見方を変えれば立派ですよ。G1の厳しい競馬で目一杯に走ってどうかと思ったけど、思っていた以上に冷静でいたから今回の経験が今後に活きてくるはずです。ゲートはこれまでよりは良かったかもしれませんが、やっぱりあの札幌の時には及びませんから。性格的に紙一重なところがあるけど、ようやくここまでたどり着けたんです。来年、再来年とまた良くなってくれるはずです。パーティーやウィナーズサークルなどで可能な限り会員の皆さんにはお話させていただいてますが、長い目で見守ってやってください」(横山典弘騎手・キャロットクラブ公式HP)

 「体が減っていましたが美浦を出る前との比較だと少ししか減っていないので環境の変化には対応できたほうですが、パドックの様子を見る限りではまだまだ課題は残ります。競馬の形は悪くなかったものの、この時計で前の馬に走られてはさすがに厳しいですね。この馬自身も1分35秒台で走っているんですけれどね。まぁ、今日のような厳しい条件で最後まで来れたのは評価できますし、今後においていい経験になったはずです。中間に疲れを見せた球節の状態もレース直後の様子では問題ありませんでした。もちろん、時間が経って変化を見せるパターンもありますから数日よくチェックしたのちにひと息入れてあげたいと思っています」(萩原清調教師・キャロットクラブ公式HP)

ボレアス(11着)

 「初めて速いペースで競馬をしたので戸惑っていた。これがいい経験になってくれると思う」(武豊騎手・デイリー馬三郎)

 「初めて速いペースの競馬をしました。これをいい経験にこれからやっていければと思います」(武豊騎手・ラジオNIKKEI)

●専門誌のレース評価

競馬ブック

重賞回顧 吉岡哲哉TM

南部杯はいいレースだった。そのひと言でもう十分だという気がする。死力を尽くした好レース。殊勲賞は4着エスポワールシチーの松岡J。トランセンドのハナを叩き、前半5ハロン57秒8の潔い逃げを打った。今年のフェブラリーSが前半5ハロン1分0秒1だから、約2秒も速い。このペースだと逃げた方もつらいが、追いかける方も苦しい。1400メートル通過が1分21秒7。東京ダート1400メートルのレコードより速い。その分、ラスト1ハロン13秒1。トランセンドはよもやの2番手から。直線は一旦、エスポワールに突き放されて厳しい形になったが、外からずっとダノンカモンが被せてくれたのが幸い。1頭になっていれば、藤田Jはもっと苦しんだかも知れない。しかし、辛勝だが、見ての通り、これは強い。ダノンカモンは無駄のないいい体つきになってきた。59キロを背負って勝った前走は本物。マイルで、正攻法で勝ち負けをした自信は大きい。4歳バーディバーディ、3歳ボレアスは力負け。1~3着を5歳が独占したように、ダート界のこの世代は突出して層が厚い。

エスポワールシチー(4着)

 「仕上がり良好。ダッシュ良くハナ主張。46秒1-57秒8、快調な逃げで厳しいラップを刻む。直線スッと引き離して逃げ込みを図ったが、ラスト100メートルで掴まる。地力健在を示した一戦。」(競馬ブック)

●気になる賞金は

 今回の南部杯の4着賞金は680万円です。未勝利勝ちが500万円ですから、未勝利1勝よりも賞金が貰えますね。1口1万円程度になるのではないでしょうか。決して悪くはありません。

●今後の展望

 今回のエスポは東京ダート1600mを1分35秒1良馬場で走ったように間違いなくGⅠ級の能力を今も持っています。

 しかし、トランセンドやスマートファルコンは成長してすでにエスポを凌ぐ力を身につけており、逆転は難しいでしょう。そして今回2着のダノンカモンも成長著しく、もう太刀打ちできないかも知れません。フリオーソも強いですね。

 私は今回のレースで真っ先に思い出したのが2年前のフェブラリーSです。このレースは愛馬エスポワールシチーの初GⅠ出走で、GⅠの大舞台でどれだけやれるのか、非常に興味深いレースでした。私もこの時初めて東京競馬場に遠征いたしました。

 そのレースでは果敢に先行し、いつものようにハイラップを刻んで逃げますが、残り100mのところでサクセスブロッケン、カジノドライヴ、カネヒキリといったダートの一線級の馬に交わされ惜しくも4着でした。

 そのレースの後、エスポワールシチーはそれら強豪のいないマーチSで重賞初制覇。かしわ記念では一角のカネヒキリを破ってJpnⅠ制覇、そこから怒涛のGⅠ級競走5連勝となるわけですが、相手に恵まれることになります。

 フェブラリーSを勝ったサクセスブロッケンは極度の不振に陥り、立て直せずにそのまま引退。カジノドライヴは屈腱炎を発症、カネヒキリは骨折でそれぞれ長期離脱を余儀なくされました。

 エスポが4着だったフェブラリーS当時は正直上位馬には完敗でしたから、こういった形での強い2着馬、3着馬の離脱はエスポにとって非常に追い風になりました。また、一時ダート王となったヴァーミリアンは年齢と共に衰えが著しく、こういった周囲の失速でエスポは2年連続のダート王に輝きました。

 しかし、カジノドライヴが順調だったらどうだったでしょうか。おそらく能力だけなら負けていた気がします。そのくらいフェブラリーSての2着は強烈でした。


 今エスポは2着3着4着と勝てずにいますが、それはカジノドライヴ級の強い馬が出て来て順調に走っているということ。こればかりはどうしようもありません。

 メイショウドドウはGⅠ級の能力でしたが、同期のテイエムオペラオーが居た為に、GⅠでは宝塚記念の1勝にとどまりました。オペラオーがいなければGⅠを5勝はしていたはずです。


 私はエスポが君臨出来た2年間はもちろん馬自身も充実して強かったですが、相手関係にも恵まれたと思っています。ですから、相手が充実してきた今、GⅠはよほど相手に恵まれてエスポも好調でなければ奪取は難しいでしょう。もう1つも勝てないかも知れません。

 それは仕方のないことで、2着でも3着でも4着でも無事で走っていてくれればそれだけで十分です。GⅠなら今回のように4着でも未勝利戦優勝よりも賞金が貰えます。しかもあわよくば勝ち負けできる位置にいるわけですからレースも毎回楽しみです。

 安達昭夫厩舎の馬は高齢馬が多いですが、エスポも8歳くらいまでは無事に走り続けて欲しいですね。

●最後に

 帝王賞当日の朝、エスポワールシチーに次ぐ期待の愛馬アフロディーテが故障を発生し予後不良になりました。アフロディーテは芝の重賞を目指していた馬ですが、死んでしまってはどうしようもありません。

 調子落ちはあるものの、ずっと無事で走り続けてくれているエスポには本当にアタマが下がります。とんでもない良い馬に巡り合えました。無理をさせずに長く走らせて欲しいですね。

 いつまでも元気で頑張れエスポワールシチー!!

最後までご愛読ありがとうございました

2011年7月4日立ち上げ 8月29日、9月7日、12日、14日、16日、17日、21日、22日、24日、25日、29日、10月2日、5日、6日、10日、13日加筆
エスポワールシチーの過去の特集をご覧になりたい方はこちら

2011年 6月29日 第24戦 帝王賞 JpnⅠ 大井ダ2000m (2着2番人気

2011年 5月 5日 第23戦 かしわ記念 JpnⅠ 船橋ダ1600m (3着1番人気) 写真多数付き現地観戦レポート

2011年 3月21日 第22戦 名古屋大賞典 JpnⅢ 名古屋ダ1900m (1着1番人気) 写真多数付き現地観戦レポート

2010年11月 6日 第21戦 ブリーダーズカップ クラシック GⅠ チャーチルダウンズ ダ2000m (10着/7番人気)

2010年10月11日 第20戦 マイルチャンピオンシップ南部杯 JpnⅠ 盛岡ダ1600m (2着1番人気

2010年 5月 5日 第19戦 かしわ記念 JpnⅠ 船橋ダ1600m (1着1番人気

2010年 2月21日 第18戦 フェブラリーステークス GⅠ 東京ダ1600m (1着1番人気) 写真多数付き現地レポート

2009年12月 6日 第17戦 ジャパンカップダート GⅠ 阪神ダ1800m (1着1番人気) 写真多数付き 現地レポート

2009年10月12日 第16戦 マイルチャンピオンシップ南部杯 JpnⅠ 盛岡ダ1600m (1着2番人気

2009年 5月 5日 第15戦 かしわ記念 JpnⅠ 船橋ダ1600m (1着2番人気) 写真多数付き 現地レポート

2009年 3月29日 第14戦 マーチステークス GⅢ 中山ダ1800m (1着1番人気

2009年 2月22日 第13戦 フェブラリーステークス GⅠ 東京ダ1600m (4着/5番人気) 写真多数付き 現地レポート

2009年 1月25日 第12戦 平安ステークス GⅢ 京都ダ1800m (2着1番人気) 写真多数付き 現地レポート

2008年11月24日 第11戦 トパーズステークス オープン 京都ダ1800m (1着1番人気) 写真多数付き 現地レポート

2008年11月 2日 第10戦 錦秋ステークス 1600万下 東京ダ1600m (1着1番人気

2008年 9月27日 第9戦 西脇特別 1000万下 阪神ダ1800m (1着2番人気) 写真多数付き 現地レポート

2008年 8月30日 第8戦 500万下 小倉ダ1700m (1着/4番人気)

2008年 8月10日 第7戦 秋吉台特別 500万下 小倉芝1200m (7着/3番人気)

2008年 7月20日 第6戦 3歳未勝利 小倉芝1200m (1着1番人気

2008年 6月21日 第5戦 3歳未勝利 阪神芝1400m (2着/4番人気) 写真多数付き 現地レポート

2008年 5月 3日 第4戦 3歳未勝利 京都芝1600m (6着/2番人気

2008年 4月20日 第3戦 3歳未勝利 福島芝1800m (5着1番人気

2008年 3月29日 第2戦 3歳未勝利 阪神芝1400m (2着1番人気

2008年 3月 9日 デビュー戦 3歳新馬 阪神芝1600m (3着1番人気) 写真多数付き 現地レポート

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